(幹事社)
それでは発表事項以外の質問に移りたいと思います。まず幹事社から3点質問させていただきますので、質問は1問1回でさせていただきます。
まず1点目は熱海市の土石流の関係ですけれども、今月18日に県と熱海市がこれまでの盛土の行政手続きの経緯を発表しまして、措置命令を出すことを決定したけれども見送られて、今回崩落・崩壊に至ったわけですけれども、この発表も踏まえまして、改めて今回の土石流の、県としてどのように対応していきたいか。また責任の所在というものをどのように考えているのかというのを、改めて聞きたいと思います。
2点目については、リニアの中央新幹線についてですが、今日の丹那トンネルの発表にも少し関わってくるかもしれませんけれども、国の有識者会議では次回中間報告を出すという方針が出ていますけれども、改めてこの中間報告案について知事のお考え、また国交省にどんなことを求めていきたいかということを聞かせてください。
3点目、最後は先の国政選挙参院補選についてですけれども、知事が支援した山ア候補が当選をしまして、ひとつ大きなパイプができたということになると思いますけれども、今後、国とはどのような関わり方をしていきたいと思っていますか。また週末に控えました衆院選については、知事はどのような応援というか動きをされるのかその辺を聞かせてくださいはい。
(知事)
まず第1問、熱海市土石流の災害についてでございますけれども、県の行政手続きにつきましては、10月18日、すべて公表を差し上げました。今後は難波副知事を中心とした内部検証チームが、法律家等による指導助言を得ながら、県職員、事業者等の関係者からヒアリングを行います。そのヒアリングを行った上で、県の行政手続とその問題点、また、再発防止に向けた在り方について、内部検証を行うという段取りになっております。この県土採取等規制条例に基づく措置命令というのは、権限が移譲されている市が、固有の責務として、事務として行ったものでございますが、熱海市におかれましても、今後、同様の内部検証が行われると承知しております。県および市の検証結果につきましては、12月に設置予定の弁護士、学識者で構成する、仮称ですが、行政対応検証委員会におきまして、公正中立な立場で検証を行っていただきます。そして、年度内に取りまとめるように考えております。その中で、県の対応につきまして、しっかりと検証を行っていただくということでありますが、二度と同じような災害を発生させないために、静岡県土採取等規制条例を厳しく改める必要が痛感しております。本年度中に条例を改正し、規制を強化していくと、こういうように考えております。
(知事)
2つ目のリニア中央新幹線絡みの話でございますけれども、国の有識者会議で示されました中間報告案は、これは前回12回に書いてあったわけですけれども、11回、10回で、もう前回、前々回で、すでに内容を同じ形で出ておりまして、これが今度、取りまとめられるということで、骨子案は明確になりました。私ども、JR東海が約束されたように、JR東海は掘削で出てくる湧水を全量戻すという、これを約束されたわけでありますが、ただ具体的な方策が示されていないとしたところですね、JR東海からは、先進杭貫通後に、県外流出量と同量の山梨県内のトンネル湧水を、大井川に戻す方策が提示されたというふうに記述されているだけです。判断されていないんですね。評価もされていない。こちらに任せるということでございますが、この件に関しまして、一旦掘削した後に、何十年もかけてプールに溜めた湧水をポンプアップして大井川に戻すという案は、途方もない案でありまして、水資源への影響リスクに対する回避低減策としては、全く意味がないというふうに考えております。全量戻しの方策として、到底受け入れられないというのが県民、地域住民、また我々の共通見解であります。地元の方たちが受け入れていない、つまり反対しているということでございますので、この点は今回の参院選挙でも明確になりました。もちろん、先の知事選挙でも明確になりました。国交省さんには、JR東海が受け入れられなければ、これは工事は中止しますというふうに言われているので、受け入れられないということが分かった今、国交省はJR東海に受け入れられないことが判明したので、工事を中止するようにと。ただし、これは南アルプストンネル工事について言っているものでありまして、他の地域におけるリニア工事について言っているものではありません。この絡みで今、記者さんの方から盛土についてありましたか、トンネル掘削してからということになりますと、掘削した盛土の量が370万立米と。これが熱海の盛土、26人プラス1人の行方不明者という悲惨な結果になったわけですが、家もなくされたということでございまして。これがですね、反省されている中で、それの67倍もの盛土は、おそらく今後の条例でもほとんど認められることはないだろうというふうに思います。それから先程の渡邉参事のご報告にもございましたように、生態系、これからなされていきますけれども、国立公園の特別保護区、また保護区のところにかかっております。それで水位が下がるということはJR東海の報告に書かれております。これは受け入れることができない。もちろん南アルプスはユネスコエコパークでもありますから、さらに受け入れることはできないと。受け入れることができなければどうするんですかと、JR東海は約束したとおり、工事を中止なさいと。なぜそれができないのだと。国交省は、こうした約束違反、これをですね、しっかりと叱責して、公共交通機関でありますから、地域住民の理解を得られなければ工事をやめると言っている以上、やめるように指導するのが国交省の役目であるというふうに思っております。
(知事)
最後。今度の参議院補選に関するものでございますが、3つございました。結果について、まず、どう受け止めているかということでございますけれども、これはですね、当初はですね、若林さんが有利だったわけですね。
9月18日20日時点で、山アさんは3ポイントの差で若林くんにリードを許していました。そして、それが10月2日、3日、これは岸田政権ができてからということでございますけれども、なんと若林さんはポイントが45.9になり、山アさんはポイントを落としまして、28ポイント。言い換えますと、18ポイントの差がついたわけでございます。
ところが、驚いたことに10月9日10日、ほぼ1週間後ですけれども、若林さんはそこから5ポイント弱落とされて41.2ポイント。
で、山アさんがなんと10ポイント以上、上げて28.4ポイント。差がですね、若林さんが2ポイント強リードするようになったと。何が起こったのかといいますと、もちろん10月7日に告示されまして、出陣式があったと。そこで、偶々、私がその場に、山アさんの演説、聞くために行ったところですね、応援演説をすることになりまして、そこでもちろん私は水問題を取り上げたわけでございます。これで争点が明快になったんじゃないかというふうに思います。
それまでですね、前回の知事選では争点隠しが行われました。そして、今回は争点外しが行われました。若林さんは一切ですね、あたかもリニアトンネル工事に関して、今まで発言されたこともないように思いますけれども、前の井林さんじゃなくて岩井さんよりも、もっと遅れたような話で、いわゆる理解がなければ、トンネル工事をするべきでないということの、それの繰り返ししか言われなかったということでございまして、そうした争点外しというものがあったわけですが、これがですね、明確に争点であるということになったのが、大きな山ア候補の追い上げであったというふうに思います。で、では、他に争点がなかったのかということもございますけれども、しかしながらですね、今回3人が出られまして、何よりもこの結果について、若林さんは60万人以上の票を獲得されました。そして鈴木千佳さんは11万票という票を獲得されました。これは大変大きな数字です。残念ながら、当選はかないませんでしたけれども、県下の60万人、6分の1の人たちですね、そして10万人以上の方たちがそれぞれの候補者に票を投じられていたと。つまり、期待されていたということでございますから、今回の残念な結果に対しては、何とかめげるということなく、新しい人生をこれから切り開いていただきたいと、あるいは、志を堅持していただきたいというふうに思う次第であります。
そして、山ア候補は幸運にも当選なさいました。で、9カ月間仕事をしていくとおっしゃっています。そして、その政策内容は、もちろん、この選挙期間中に言われていました。この選挙期間中に言われていたことは、アベノミクスに対する批判でしたけれども、批判の内容はアベノミクス批判という言葉を使いませんけれども、岸田総理の言われている経済成長戦略、また、分配の戦略とうり二つですね。例えば、岸田さんは10兆円も出してですね、スタートアップ企業あるいは研究を援助していくと。こういうことしなきゃいかんというふうに山ア君も言っていました。田園都市国家構想、これは、デジタル田園都市国家構想でありますけれども、これは大平さんの旧来の主張を、彼はまあ、無念にも途中で現職で亡くなられまして、これをデジタルを使って田園都市国家構想を作っていこうということですが。これはまさに地方の時代を開くには、どうしてもこういうデジタル技術が必要ですから。ですから、地方の時代を拓くという、静岡時代を拓いていくんだと。これもですね、全く岸田さんと同じ考えです。それから、3番目のいわゆる経済安全保障というのは、ちょっとこれは現在の国家がやるべきことで、山アさんの主張にはありませんでしたけれども、この消費をもっと拡大して生な現実の経済を動かしていきたいというのは第四の経済戦略になっています。消費の不安を解消するというように言われたわけです。なにより分配についてはですね、再分配を言われて、これは貧しい人にお金を回せというのは山ア君が言っているわけです。
特に看護師さん、保育士さん、あるいは介護士さん。こういう人たちが本当に大切であるということが、今回のことでわかったから、そこにお金を回せと。これは明確に、4つの柱の中の一つになっているわけですね、岸田さんの。ですから、これは文字通りアベノミクスの批判になっているわけです。実際、ここには日経がいらっしゃいますでしょうか。日経、あ、失礼しました。記者さんがいらっしゃいますが。日経と組んで、日経が持っているフィナンシャルタイムズ、岸田総理の誕生を受けてですね、「Kishida breaks with Abenomics」と。「in bid to close wealthcare up」と言っているわけです。これは第一面のトップ記事です。アベノミクスと断絶し断ち切り、そして所得格差を埋めると、これが岸田だと言っているわけですね。ですから、これは明確にですね、アベノミクスに対する否定なんですよ。それをそのまま山ア君は、おそらく、所信表明を読まないでいるってことが昨日お目にかかってわかったわけですが。あ、こんなんですか、知らなかったってな感じで言っていましたので、結果的には同じことを言っていると。
ただ、しかし、彼が許せなかったものがあります。それは忖度であり、あるいは、安倍さんと菅さんのですね、それを大事にするということです。その中でも一番岸田さんとしては忖度してはならないこと、それは学術会議の6名の任命拒否が、そのまま、いわば蓋をされていることですね。岸田さんは早稲田大学の出身です。早稲田大学というのはですね、学の独立というのが校是になっているわけです。学校のいわば拠って立つ基礎ですね。礎になってるわけですね。なぜかと。大隈さんが学校を作ったときに、西郷隆盛の私学校のように反政府運動の若者をつくっていくんじゃないかということだったのでですね、そういうことはしないということで、大隈さんの庭園の道路を隔てて反対側に大学があったんですが、彼は25年間、求められたら、人が来た時には言う。しかし、決して来るもの拒まない、助力を惜しまない、しかし、去る者は追わないということで、一切、大学に経営にタッチしなかったんですよ。
これが学の独立なわけですね。日本は学問は非常に高いですよ。ですから、これをやるためには、なぜ任命拒否したんですか。これは、菅さんがやったことになってますが、みなが知っておられるように、杉田官房副長官が、当時の副長官が、進言されて、それを受け入れられたわけですね。これは信頼する部下の言うことですから、それを実行されたと。説明をするべきは、実際に決めた杉田元官房副長官ですよ。だから、彼をですね、証人なり、喚問、参考人として呼んで、そして、なぜやめられたのか、なぜ6人を排除したんですかと聞くべきですね。それで、それが十分に説得力がないとなればですね、これは、説得力があればそれでよろしいと思いますが、説得力がなければですね、ご自身はいったんこれを元に戻して、学術会議のあり方と、他にも科学技術会議というものがありますから、それとどういうふうにしていくかということをやられると。これがですね、早稲田大学を出た、岸田さんがですね、決して忘れてはならないことだ、というふうに私は思っておりまして、この点を等閑に付すとか忖度するというのは許しがたい。この点はですね、ぜひ大学院も出た、大学院を出てたかな山ア君は。とにかくに立派な大学が出ているですね、山ア君が追求すべきことではないかというふうに思うところであります。
それからまた実際の争点外しに対して、争点として、リニア中央新幹線の問題が出てきましたので、これはですね、彼としては、県民から付託されている、県民の県民による県民党の幹事長としてですね、これは、もちろん、そういうものが実態としてはありませんけれども、そうした使命感を持ってこのリニアの問題については県民のために働いていただきたいと。こういうふうに思うところであります。
それから、街宣車などに私のステッカーが貼られているんです。見たことがありませんけれども。公職選挙法に違反しない限りですね、もし、私に、断られているなら、断られた方がいらっしゃいます、ステッカー貼っていいかと。公職選挙法に違反しないにしてくださいというふうに言ってございまして、そうでない限りですね、どなたかというのはちょっと特定できないんですけれども、実際上、自民党の方でないんじゃないでしょうか、私のステッカーを貼っている人は。自民党の方が貼ってくださったらもっとありがたいと思いますけれども、それは、そういうことでですね、県と一体であるってことを示すだけのことですから、それは歓迎したいというふうに思います。
それから、衆院選にはどのように関わっていくつもりかということですけれども、求められれば行くと。特にですね、これに関しましては、リニアの問題というのが、私にとっては非常に大きな県民の生命を守るためにも、また、産業を守るためにも、極めて重要な問題であると思っておりますので、そうした絡みで応援に来てくれというような要請があれば、喜んでいきたい。ただし、行ける日というのがですね、今日が火曜日ですか、水木金土しかありません。で、そして水木金は、東京でも、いろいろな行事もございまして、いけないと。土曜日だけになりますけれども、土曜日にですね、午後に現代公共政策学会という、何か静岡新聞も取られたそうですけれども、そこから賞をもらうことになりまして、どうしてももらわざるを得ないような状況に追い込まれましてですね、それで、もらう以上、講演をしろということで、したがって、土曜日の午後が、たまたま、それに当たってたわけです。選挙の日にちが決まる前に決まっていた日程だったのでですね、これは約束したことですから、やらざるを得ない。そうすると、土曜日の午前中、それから講演が終わってから、マイク納めまでの時間がですね、私が実際に、公務がそこに入らなければですね、使える時間だとということで、その時点で何かリニアがらみでですね、要請があれば、私は自らのこの主張をあわせてですね、そこでご説明したい。党派は関係ありません。正論を言っていらっしゃるかどうか、私自身の意見を言ってもっていいということであれば、言いたいと。こういうふうな考えでおります。以上であります。
(記者)
ありがとうございました。幹事社から以上にしますので、各社さんお願いします。 |